
こんにちは、ヒリポジャスです!
今回は【Netflix】オリジナル映画《マリッジ・ストーリー》のあらすじ(ネタバレあり)・感想・レビューについてお話していこうと思います。

※本記事にはネタバレ要素が含まれていますのでまだ映画を観てない方はご注意ください!
《マリッジ・ストーリー》
今回紹介する【Netflix】オリジナル映画は《マリッジ・ストーリー》❕
この作品は結構知っている方も多いんじゃないかな?って言うのも2020年アカデミー賞に計6部門ノミネートしてる力作なので観た方も多いはず。
その中でもニコールの弁護士役ノラを演じたローラ・ダーンは助演女優賞を受賞しています。
W主演のスカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーは本作でアカデミー賞にノミネートされてますけど、マジで良い演技でした。物語中盤~終盤にかけての白熱の演技は感情を爆発していて視聴者はのめりこむ感覚に落ちます。
レビューサイトでもかなりの好評。こんなに高いのは稀です。大学一年の僕が観ても超面白かった。これは観るべき作品です。
サイト名 | 平均評価 |
Rotten Tomatoes | 8.81 / 10 |
IMDb | 8.0 / 10 |
あらすじ
舞台演出家の夫チャーリーと俳優の妻ニコールが、少しのすれ違いから離婚の危機に入る。
これまで溜まっていた不満を互いに噴出する。
二人は平和に終わりたいのに弁護士が実績の為に互いの感情を無視する。
あらすじは正直これだけ。 しかし、離婚するまでの二人の感情~子供のヘンリーを交えた行動が面白い、というか感動もん。ラストシーンは泣けます。
ヒューマンドラマ
監督
ノア・バームバック(Noah Baumbach)

本作《マリッジ・ストーリー》の監督を務めるのはノア・バームバック監督です。

アカデミー賞監督!!
2005年自身の両親を描いた映画「イカとクジラ」でアカデミー賞脚本賞にノミネートされ一躍有名になります。
そして今回、自身の離婚体験を元に製作されたのが《マリッジ・ストーリー》!
複雑な関係が上手く描かれているのはリアルすぎる体験をしたから。
現在は脚本家・監督のグレタ・ガーウィグとの間に第一子を授かってます。奥さんもアカデミー賞監督・脚本にノミネートされているアカデミー夫婦です。
キャスト
スカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)

本作でチャーリーの妻役ニコール・バーバーを演じるのはスカーレット・ヨハンソンです!

スカーレット・ヨハンソンといえば
ブラック・ウィドウだよね~
デンマーク系と東欧系ユダヤ人の血が流れるスカーレット・ヨハンソンはニューヨーク出身。実は彼女双子の弟がいるんですよね。名前の由来は特別な意味があって、第12回アカデミー賞で9部門受賞した長編小説(映画)「風と共に去りぬ(Gone With the Wind)」に登場するヒロインスカーレット・オハラから取っています。
女優としてのきっかけは早いもので、幼いころから演劇教室へ通い、なんと8歳という若さでオフ・ブロードウェイ(ニューヨークにある小さい劇場だがプロ劇場)で舞台デビューを果たす。1994年《ノース 小さな旅人》で映画デビュー。その後も順調にキャリアを進め、1998年《モンタナの風に抱かれて》で国際的な評価を得ます。

ここから彼女の躍進が始まる!!
《真珠の耳飾りの少女》《ロスト・イン・トランスレーション》などでさらに演技評価が上がり、ゴールデングローブや英国アカデミー賞を受賞します。その後も多数の映画・ドラマに出演し地位を確立。中でも2010年エミリー・ブラントの代役として《アイアンマン2》にてブラック・ウィドウ役を演じて世界のアメコミファンを味方につけた。

日本もスカーレット・ヨハンソン = ブラック・ウィドウと答える人が多いと思う。実際、小難しい映画を観ない人は《アベンジャーズ》しか出演してないと思ってるかも。
しかし、そのブラック・ウィドウ役は10年以上も演じてきた作品です。最近完結したアベンジャーズシリーズで彼女は「10年間演じてきた役と別れるのは辛かった」と語っていて、非常に愛着のあるキャラクターとスタッフ・出演者達だったのでしょう。
名声・演技力ともに兼ね備えた彼女は2016年海外サイトにて「史上最も興行収益を上げた俳優・女優ランキング」で第10位(女優1位)を獲得しています。

順風満帆に見えるが私生活では
多数の離婚をしてる。人間簡単じゃないぜよ。
アダム・ドライバー(Adam Driver)

本作でニコールの夫役チャーリー・ハーバーを演じるのはアダム・ドライバーです!

本作終盤での演技は確実に
アカデミー賞候補を確信する
アダム・ドライバーはとんでもない経歴の持ち主です。それは、2001年9月11日世界に衝撃を与えた悲惨な事件『アメリカ同時多発テロ』を機に、アメリカ海兵隊へ入隊。その後、マウンテンバイク乗車中の事故により海兵を退役する。
その後、ジュリアード音楽院へ入学して演劇を学びます。言い方は悪いですが、事故ってなければ彼の素晴らしい演技は観れなかった。結果オーライってやつです。

バリバリの体育会系!
2012年TVドラマ《GIRLS/ガールズ》で主演のレナ・ダナマのボーイフレンド役を演じて注目を集め、2013年~2015年の間は毎年エミー賞にノミネートされ続けます。
スターウォーズ….の前に、《ファーゴ》や《ノーカントリー》といったアカデミー賞作品を手掛けるコーエン兄弟制作の映画《インサイド・ルーヴェン・デイヴィス 名もなき男の歌》に出演。
2014年には自身の初主演となる映画《ハングリー・ハーツ》で、第71回ヴェネツィア国際映画祭にて男優賞を獲得。自身のキャリアに弾みを付けます。
ここでお待ちかねのスターウォーズ! 2015年《スターウォーズ/フォースの覚醒》では、悪役カイロ・レンを演じて一気に人気が集まります!

やっぱりこのイメージが強いかなぁ~…なんて思ってたら大間違い!!
本作のアダム・ドライバーを観ればスターウォーズのカイロ・レンのイメージは吹っ飛ぶ!
それくらい強いインパクトを残した本作はアダム・ドライバーのファンなら1000%観るべき作品です!
ローラ・ダーン(Laura Dern)

ニコールの弁護士役ノーラ・ファンショーはベテラン、ローラ・ダーンが演じます。

本作でアカデミー賞助演女優賞獲得
父親は名悪役で有名なブルース・ダーン、母親は3枚目で有名なダイアン・ラッド!!
スーパーハリウッド一家に生まれたローラ・ダーンは若くして役者の道を進む。18歳からデビューした彼女は、若いながらもデヴィット・リンチ監督作品の常連としてキャリアを進めます。
そして、若干24歳の時にランブリング・ローズで主演のローズを演じ、アカデミー主演女優賞にノミネートされます。
最近は2016年《私に会うまでの100キロ》でアカデミー助演女優賞にノミネートされるも、受賞は逃します。
そして、ついに本作《マリッジ・ストーリー》にて勝つことだけを意識した弁護士をノーラを演じ、見事アカデミー助演女優賞を獲得しました。その他にも多くの賞を受賞。
経歴を見ても分かる通り多数の映画・ドラマに出演するも中々たどり着けなかったアカデミー賞受賞。しかし、今回ノーラさえいなければ、ニコールとチャーリーは円満離婚で解決できるのに!…なんて思うほど作品の中で超重要な役でした。
彼女がいなければ展開は少ない映画になり、彼女がいることで物語を引っ掻き回す作品に仕上がったのかなという印象です。つまり、今回助演女優賞を獲得するのは当然の結果だったのかもしれません。
アジー・ロバートソン(Azhy Robertson)


いや、めっちゃ可愛いな!
今回最後に紹介するのは二人の子供ヘンリー役を演じたアジー・ロバートソンです!
本作の役柄は、両親が争っていることに気付いてはいるが、離婚の重みをまだ理解できていない年齢。だから、母親と時間を過ごしたいのか、父親と時間を過ごしたいのか後半はハッキリと出てしまう。
そんな役を演じたアジー・ロバーソンを《15年後のラブ・ソング》でジャクソン役に起用したジェシー・ぺレッツ監督は彼を絶賛。
「自分の役割を理解している点では、まさにプロの役者であった」
「彼を起用出来たことに興奮した。演技が大げさな子役は多く、セリフを暗記して繰り返す。しかし、そんな子役ばかりでは作品は台無しになる。ジャクソンは作品を左右する重要なキャラクターだからね。」

かなりの絶賛!!
10歳にして大物俳優たち(スカーレット・ヨハンソン、アダム・ドライバー、イーサン・ホーク、エマ・ストーンなど)と共演しています。将来性がかなり期待されている子役と言えるでしょう。
映画史に残る名作品
35㎜フィルム
本作フィルムはコダックの35㎜が使用されている。これは、一昔前に主流だった撮影方法で、最近のデジタル化が進む以前のやり方だった。
この撮影方法を採用した理由は説得力だと考えました。
もちろん、昔ながらの一般的な撮影方法は予算の事情もあるでしょう(製作費1800万ドル)。しかし、そんなことではなく、ただの会話のシーンでも演者一人一人に説得力を持たせ、無言のシーンですら視聴者は何かを感じ取ってしまう。
現代のデジタルな撮影方法では、セリフやCGに力が入り、感情や言葉に説得力が欠ける。本作では夫婦の会話や挙動にものすごく重要さを持たせている。というか、それがなければ数多くのアカデミー賞にノミネートされていないと思う。
特に、終盤で繰り広げられる夫婦喧嘩は見入ってしまう。
その重要視した会話や挙動、感情たちを一際引き立たせるのがこの35㎜フィルムの役割でもある。
監督が視聴者に訴えかけたかった現代の女性像は35㎜フィルムによってより説得力を増す。加えて、本作では1.66:1のアスペクト比のフレームを使用している。これは、左右に短いフレームで、枠に収まる景色が狭い。
つまり、ここでも景色ではなく、言葉や挙動に説得力を持たせたいのが監督の狙いと思いであると考えます。二人の視野の狭さを表し、気持ちに余裕が入っていない焦っている感覚。
本作では常にニコールかチャーリーのどちらかが気持ちに余裕がないです。心の状態をこのフレームが表しているのでしょう。
女性の社会進出を表す作品

本作の離婚がテーマですけど、その背景には現代の女性像を表す作品でもあるんですよ。
ニコールが舞台演出家の夫チャーリーに不満が爆発する理由として
「私の意見を聞いてくれない」
というのがあります。これは、仕事もしたいけど子育てもしなければならない。しかし、そんな自由は利かず、夫のチャーリーだけ自由(自分のやりたいこと)に暮らせています。しばらく我慢してもチャーリーはそんな事に全く気付かず、いつ自分に構ってくれるか、意識するとハッキリと無いことに気付きます。
そんな生活は嫌で夫も自分勝手、自分の人生なのに自分で決断できない事に違和感を持ちます。夫の浮気も重なり解決方法は離婚しかないと考えるようになります。
そこで、自分で生きていくために離婚する。これは、まさしく女性が男性に振り回されず、自由に生きていく現代の女性像を物語っています。
最終的にはニコールは映画監督としても大活躍。夫のチャーリーよりも功績を残します。つまり、夫を越えるのです。
本作ではこの女性像こそ35㎜フィルムで強く視聴者に伝えたいことだと考えました。
終盤の名演技

ニコールとチャーリーは終盤お互いの不満を爆発させた夫婦喧嘩を展開します。最初は穏やかな会話から段々とヒートアップ。
お互いが嫌いな部分を罵倒し、挙句の果てには思ってもない事すら言い放ちます。
これに至るまでには凄腕の弁護士による戦いがあり、チャーリーは物凄く追い込まれてしまいます。
それに関してはアダム・ドライバーの名演技。彼がアカデミー賞にノミネートされた理由(取ってもいいと思った)が良くわかります。
実はこのシーン50回近く撮りなおしていて、非常に時間のかかったシーンなんです。チャーリーが壁を殴る、蹲る、など全ての振り付けが台本に書いていて、ワンカットでの撮影なので2日かかったと聞きます。
特徴として、ヘンリーを守りたい・一緒にいたい気持ちは同じなのに互いの気持ちが一致しない。そのお陰でどちらか片方が傷つく結果になる
本作の一番の見どころ…..だとは思ってないです。
僕が思うに一番の見どころは…….
ヘンリーの音読・後悔の時間

そう、一番の見どころはヘンリーの音読・後悔の時間です。
物語の終盤、離婚調停の末にニコールは映画監督としても活躍するようになります。そんな時期にチャーリーはニコールとヘンリーの元へ訪れます。
そこで、序盤にニコールが読むのを渋っていた手紙をヘンリーが見つけます。チャーリーはヘンリーに手紙を音読させてる内に感情が高まり「次はパパが読む」。
チャーリーは読み始めて「出会って2秒で彼を好きになった」の部分で大号泣。それと同時に、今まで自分が大切にしてあげられなかったことに後悔をします。

感動のシーン
これは、離婚の末に訪れた悲しくも安心できる一幕。この後少し会話があり、いつまでも続く長い道路を映して映画は終わります。
音読・後悔のシーンは最後の最後に本音を知り、家族を愛してたことを自覚するのが胸に刺さります。それも、後ろでニコールが涙ぐんでる。良い結末とは言えないが、決して悪い最後になったわけでもない。
つまり、二人はそれぞれ新しい未来へ後悔しないように生きれる。そんな別れをさせてくれたシーンだと僕は感じました。
感想

独断と偏見による
「俺の答え!!」
最近現実が忙しすぎてあまり書けていません。
そんな中観た本作はかなり面白かったです。
離婚映画なんだけどバットエンドじゃないのはレア。アカデミーに多数ノミネートされるだけはありますね。
現代の「離婚映画」って感じで面白かったです!
レビュー


少し重いけどかなり
深い。
最後に
今回は【Netflix】《マリッジ・ストーリー》のあらすじ(ネタバレあり)、感想、レビューを紹介させて頂きました。
気になった方は【Netflix】にてご覧ください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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